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『君の名は』の感想と考察(ネタバレありであらすじも紹介)

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新海誠作品『君の名は』の考察です。

ネタバレも含みますので、まだ観ていない方は先に動画配信サービスの無料体験などを利用して観てしまうことをおすすめします。

『君の名は』は、U-NEXTで視聴が可能です(31日間の無料体験があるので実質無料で観ることができます)

まずはあらすじから紹介します。

『君の名は』のあらすじ

「まだ会ったことのない君を、探している」のキャッチコピーで2016年に公開された作品。

東京に暮らす男子高校生の立花瀧は、ある日目を覚ますと岐阜県飛騨市の糸守町に住む女子高生 宮永三葉になっていた。

逆に三葉は瀧になっており、2人は現実世界で入れ替わっていることに気づく。

ある日を境に、2人の入れ替わりは途絶えてしまうが、瀧は入れ替わっていた際の記憶を元に頭の中にある映像を絵に書き起こし、三葉が暮らしているのは糸守町であることを知る。

そうして糸守町に向かう瀧だが、実は3年前に隕石が直撃して糸守町は消滅、しかも三葉はその事故によって死亡していたことが判明。

瀧は入れ替わっていた時に記憶を引っ張り出し、「口噛み酒」を奉納したことを思い出す。

記憶がある宮永神社へ到着すると、そこには本当に御神体が実在しており「入れ替わり」が自分の妄想ではなく、本当に起きていたことを確信する。

つまり、入れ替わりには3年のタイムラグがあったことがわかった。

そこで再び三葉の「口噛み酒」を飲むと、目覚めると隕石直撃の日の朝の三葉に入れ替わることができた。

隕石が直撃することがわかっている瀧は、三葉の友人たちとともになんとか住民たちを避難させようと画策するがうまくいかない。

町長である三葉の父を説得しようと試みるも妄言だと一蹴され失敗。

瀧が憑依している三葉では、住民たちを避難させることがうまくいかないと思い、三葉本人なら町長を説得できると考え、再び口噛み酒を口にする。

目が覚めた三葉は、瀧から住民を助ける計画を引き継ぎ町へ向かう。

町を停電させてなんとか避難訓練を強制実施。

そこで映像は途切れる。

それから5年後、糸守町は、奇跡的にちょうど住民が避難訓練をしていたために、死者が誰も出なかった。

就活生になった瀧と、東京で暮らす三葉は、入れ替わりの記憶は忘れているものの、「ただ、漠然と『誰か』を探している」切ない思いだけが心にあった。

さらに月日は流れたのち、たまたま並走する電車の窓からお互いを見つけた2人は、それぞれ次の駅で下車をして道端で再開。

2人は涙を流しながらお互いの名前を尋ねた。

『君の名は』の考察

『君の名は』で気になる点をいくつか考察していきます。

完全にネタバレを含みますので、もしまだ視聴していない方であればまずは映画を観てしまうことをおすすめします。

なぜ2人は3年のタイムラグに気づかないのか?

瀧と三葉の「入れ替わり」には3年のタイムラグがあります。

瀧が糸守町を隕石衝突から守るためのタイムラグであり、物語の中で重要な設定ですね。

勘所の良い視聴者の方であれば、『君の名は』を観ている最中に「もしかしたら時間軸が違う?」と気づく方もいたでしょう。

例えば、平日と休日が2人の間でずれていることなどに気づいたでしょうか?

三葉が入れ替わった瀧が、休日の朝に制服を着ていたり、瀧と奥寺先輩との休日デートの様子がどうしても気になった三葉が「平日」の学校を休んで行ったりなど。

他にも、スマホの機種が違うことなどがヒントになっていましたね。

普通に平日と休日が異なっていれば気づくと思うんですが、おそらく「入れ替わり」自体がイレギュラーすぎるので、その世界線の中では何が起きても逆に普通に感じられてしまうのではないでしょうか。

そもそも、タイムラグの設定なくして物語が展開しないのでただ単純に触れてはいけない箇所なだけかもしれません。

入れ替われるときと入れ替われない時の違い

「入れ替わり」には条件があることは気づいたでしょうか?

それは、瀧が結紐を身につけていることです。

『君の名は』には、深い意味を持つ様々な小道具が登場します。

その中で結紐は、「結び」のいっしゅになっており、実際に三葉のおばあちゃんも次のように述べています。

糸をつなげることも結び。人をつなげることも結び。時間が流れることも結び。全部神様の力や。

水でも米でも酒でも、人の身体に入ったもんが、魂と結びつくこともまた結び

三葉が亡くなってしまうことで結紐を利用した入れ替わりは不可能になりますが、三葉の魂の宿った「口噛み酒」を飲むことで結びとしての効果が発揮して入れ替わることができるようになるのです。

三葉のおばあちゃんの発言は、多くの謎解きのヒントになっていますので注目してみてください。

糸守湖が丸い理由

糸守湖は、長野県諏訪湖がモチーフとなっていることは有名ですね。

作中でなぜこの湖を使ったのでしょうか?

それは、実は糸守湖は、1200年前の彗星落下によってできた湖だからです。

つまり、糸守は彗星落下と深い関係性があり、1200年の時を経て再び訪れる彗星の落下を防ぐために主人公たちが入れ替わりながら奔走する物語だったのです。

1200年という歳月は「東日本大震災」の周期と同じで、新海誠は「3.11」を意識していたそうです。

誰もが明日死ぬ可能性すらあることを痛感したのが「3.11」だったのではないでしょうか。

瀧と三葉の物語が、完全なる空想ではなく、いつか自分の身にも降りかかるのではないかと考えながら見ることができてしまうのが「ポスト3.11」の世界に住む私たちなのですね。

『君の名は』の感想

あらすじと考察は以上にして、ここからは個人的な『君の名は』の感想を記していきます。

結論、非常に良かったです。

新海誠作品の中でも割とダントツで好きかもしれないです。

天気の子と比較しても『君の名は』の方を好きな方も多いのではないでしょうか。

いくつか私なりの感想を書き記していきます。

瀧と三葉のすれ違いが切ない

『君の名は』のメインテーマは、パラドックス(ジレンマ)ではないでしょうか。

二人の青年が、時空を超え、入れ替わりながら物語は進んでいくのですが、最後のシーンまで出会うことはできません。

なぜなら、この物語には2つの世界線が存在します。

・三葉が死んでいる世界
・三葉が生きている世界

瀧のおかげで三葉の暮らす糸守町は彗星による破壊からなんとか生き延びることができます。

瀧が三葉を知っている世界線は、三葉が死んでいるもので、瀧が選択したのは三葉が生きているもの、つまり三葉を知らない世界線です。

視聴者に判断は仰がれますが、最終シーンで瀧と三葉は出会います。

私個人の意見としては、その世界線では出会って欲しくなかった。もし出会うのだとしたら、全く違う形で出会って欲しかった。

なぜなら、出会ってしまうと切ないパラドックスが台無しになるから。

瀧が三葉との記憶をすべて消し去ってでも助けた甘酸っぱさを作品中に残しておいて欲しかったです。

その点、天気の子では、世界よりもヒロインを選択して、ちゃんとハッピーエンドにならないので終わり方としてはそちらの方が好きですね。

映像があまりにも美しい

新海誠の映画はいつもそうですが、作品中の映像が美しすぎます。

東京の街並みなんか、本当にそのままでしたし、糸守町の景色なんかは目をみはる美しさでした。

ストーリーだけでなく、映像としても楽しめるのが新海誠作品の素晴らしいところですよね。

また、映像とRADWIMPSの楽曲が相まってテンションが上がる作品でした。

奥寺先輩が素敵すぎる

瀧と少しだけ恋仲に発展しかける奥寺先輩。

すべてが完璧に整ってますよね。

顔・スタイル・声(長澤まさみ)・性格・・・

日本中の男子が虜になるタイプの女性ではないでしょうか。

だからこそ、下記のシーンでは「おい、瀧!お前がソファー座ってんじゃないよ!」ってなりました(笑)

そして、三葉のことを考えるのはわかるものの、こんなに素敵な女性を目の前にして心ここに在らずの瀧に日本中の男子が激怒したでしょう。

幅広い年齢の方が楽しめる作品

作品のテーマ的には10代〜20代の青年たちの恋愛物語なので、一番刺さる視聴者層はその年代の方だと思います。

実際、新海誠もその年齢層の方に向けて作ったとインタビューで述べていました。

しかし、実際には30代以上の方々の視聴も多かったそうです。

恋愛のサブテーマである「すれ違い」が多くの人の共感を得たそうですね。確かに誰もが一度や二度は恋愛におけるすれ違いを経験しますもんね。

一人でもカップルでも家族でも、どんな状況で観ても楽しめる作品だと思います。

1回見ただけだと、少し内容理解が難しいかも

『君の名は』は、少しだけストーリーを詰め込みすぎた気もします。

瀧と三葉が入れ替わる
入れ替わりながら恋に落ち始める
彗星が落ちてきて三葉が死ぬことがわかる
食い止めるために再度入れ替わる
食い止めたことで世界線が変わる
時間を超えて二人が巡り会う

ざっくりチャプターごとにまとめるとこんな感じなのですが、「入れ替わり」や「世界線が変わること」などがまず難しいです。

そしてそれらを引き起こす条件(結紐や口噛み酒)が複雑何回で、1回観ただけだと少し理解するのが難しいかもしれません。

ただ、私自身はそういった映画が好きです。

1回観ただけですべてを理解してしまうのでは、何か物足りないんですよね。

だからこそ、『君の名は』のように何回も何回も観ることで味わい深くなっていく作品は非常に好きです。

『君の名は』の基本情報

『君の名は』についての基本的な情報のまとめです。

監督:新海誠
作画監督:安藤雅司
キャラクターデザイン:田中将賀
音楽:RADWIMPS

キャラクター

主人公は、立花瀧と宮水三葉。

声は神木隆之介と上白石萌音が務めています。

奥寺先輩や、宮水家の祖母役は長澤まさみと市原悦子さんが務めています。

どのキャラクターも愛着がわくような素敵な人たちです。

『君の名は』の考察 まとめ

新海誠の大ヒット映画『君の名は』。

考察やあらすじ、感想をまとめてきました。ストーリーとして深い部分が多く何度見ても楽しめる作品です。

まだ観たことない人も、すでに観たことがある人も、ぜひ考察を読んだ上で『君の名は』を視聴してみてください。

きっと新たな発見や違った楽しみ方ができると思います。

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